第31回近鉄将棋まつり



主催 日本将棋連盟 スポーツニッポン新聞社
日時 平成16年8月9日
於 「近鉄百貨店 阿倍野店9階 近鉄アート館」



猛暑の中、暑さに負けじと恒例の“第31回近鉄将棋まつり”が近鉄百貨店 阿倍野店で開催されました。
羽生さんは中日の9日に出演され、掲示板のお客様の岡田さんから写真とレポを提供して戴きました。
岡田さん、本当にありがとうございましたm(_ _)m





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近鉄のチラシです
去年のも(毎年・笑)そうですけれど
良い味出してます(笑)
将棋ファンなら、この看板を見ると“将棋まつり!”と
力が入るでしょう
(笑)







☆指導対局

☆トークショー


☆トークショー


司会「関西なので、ざっくばらんな質問がたくさんあります。」
羽生「何でもどうぞ。(笑)」

司会「王位戦では2勝1敗ですが、最近の調子は?」
羽生「どう言えばいいんでしょうか、対局の数が多く試合が続いてる感じ。ずっと緊張していなくてはいけない。調整はやりやすい環境です。」

司会「初日の谷川王位への質問にもありましたが、羽生さんとの対局は定跡外の戦いが多く、楽しみと言ってます。」
羽生「そうですね。それは感じますというか、事前に考えたとおりになった試しがないんです。5手くらいで崩れます。(笑)自力で考える面白さがあります。」

司会「竜王戦・準決勝について。」
羽生「ま、あの〜、そうですね。1回負けてもチャンスのある制度のおかげでここまできてます。
その1回負けたのが森下さんなので、ダブルパンチを食らわないように・・・。」

司会「王座戦の防衛、森内さんの調子について。」
羽生「充実している印象を持っています。1年で5つも挑戦しています。多分、新記録だと思います。実力も凄いし、勢いも加わってます。大変な5番勝負になるでしょう。」

司会「今回は1日制ですね。」
羽生「2日制とは違います。こればっかりはやってみないとわかりません。うまく調整していいコンディションで臨めれば・・・。」

司会「森内さんの将棋について。」
羽生「序盤の作戦までは時間の使わない決断の早さがあります。 将棋は完璧を目指すと大変なので、みきりを早く決断しています。」

司会「王座戦は13連覇がかってますが、記録についての意識は?」                 羽生「自分の中でもよくわかっていますし、ん〜、何て言えばいいんでしょうかね。めったにない機会。
あの〜、はい、インタビューでは意識しますが、シリーズが始まると頭の片隅に置いておきます。」

司会「王座戦でやばいかなと思ったシリーズは?」
羽生「3回のカド番のフルセットのシリーズが印象に残ってます。谷川さんに2連敗した時は、負けたかなと思いました。あとは藤井さんと去年の渡辺さんですね・・・。」

司会「その渡辺五段について。」
羽生「やっぱり、どう言えばいいんでしょうかね。対戦しながら力をつけています。ここ1年くらいで力をつけました。
自分が考えてた以上に、今の将棋を研究している印象です、え、え。」

司会「横歩取りが多かったですね。」
羽生「そうですね、相手の得意戦法に正面から戦わないのもどうかなと思って飛び込みました。
棋譜を見てるより相手にふみこんで、実戦で学んでいきます。」

司会「山崎五段について。」
羽生「渡辺さんとは違うタイプ。山崎さんは力戦派。若手の中では珍しく力で勝負します。個性の強いタイプの将棋です。ここ最近充実してますね。王位戦の挑決の中盤では負かされたと思ってました。これから活躍するでしょう。」

司会「松尾五段との研究会は?」
羽生「今でもやってます。」

司会「新たな発見は?」
羽生「最初は違和感がありました。横歩とか一手損などが上手くいってるので、自分も調べてみないと・・・。自分は後発組だと思います。若い人は毎日検討する積み重ねで進歩しています。
(新手は)公式戦では勇気がいります。練習では大失敗してます。(笑)」

ここからは会場からのアンケートを中心に。

司会「リラックス方法は?」
羽生「そうですね。夏は催しに参加するか、対局してるか、休んでるかのどれかなので、気分転換する時間がないんです。」

司会「棋士を目指す前は何を目指してましたか?」
羽生「幼稚園なので何も考えてません。」

司会「プロになろうと思ったのは?」
羽生「10歳なので職業を選択したというのではないですね。奨励会に入って今までと違って一生懸命していかないと・・・。なので、13歳くらいですか。働く中学生でした。(笑)」

司会「好きな駒は?」
羽生「銀です。攻守に役に立つので・・・。この棋士はこの駒をよく使うという統計を送ってもらったことがありまして、私は銀が多かったです。」

司会「初めて覚えた戦法は?」
羽生「中飛車です。玉を囲わないで両方の銀が上がる。居玉中飛車です。」

司会「今の得意戦法は?」
羽生「あまりないんですよね。何でも一応やるんですけど・・・。横歩取りですかね。激しくて1手1手の比重が大きい。」

司会「プロになる前に憧れてた棋士は?」
羽生「谷川さんですね。史上最年少の名人のインパクトは記憶に残ってます。」

司会「将棋の勉強方法は?」
羽生「小学生の時は、実戦を早指しでたくさんやるのが良いです。基本的なところを覚えて、実戦で慣れていくことが大事。
私は毎日指せる環境にはなかったので、新聞で次の1手を考えたり、本・雑誌で勉強しました。」

司会「短時間で上達する方法は?」
羽生「そういう薬があればいいんですけど・・・。(笑)この形しかやらないと決めてしまう。相手が何をしても中飛車とか・・・。
毎日5分でも5手詰めの詰め将棋をするのが良い方法。わからないときは答えを見て、ストレスをためないことです。(笑)」
会場「(笑)」

司会「ネット将棋はしますか?」
羽生「やったことはありますけど・・・。最近はやってません。」

司会「家族サービスはしてますか?」
羽生「全然してません。(笑)」
会場「(笑)」

司会「車の運転は?」
羽生「今はしてません。対局のときの車は危ないと思いました。つい将棋のことを考えてしまうんです。その前に信号を見ろと!(笑)」
会場「(笑)」







☆サイン会T

☆サイン会U

☆羽生さんのサイン

☆記念対局 初手 羽生王座 ▲2六歩

☆投了図  ▲5一玉まで  羽生王座 ○−● 山崎五段

☆感想戦 この辺がポイントだったようです。後手勝ちの変化も・・・


☆記念対局


この対局の棋譜は 関西将棋会館 のHPの第31回近鉄将棋まつりの
8月9日のレポートのページにUPされていますので、合わせてお楽しみ下さい。

先手→羽生王座  後手→山崎五段  解説→有吉九段&各種おっさん


司会「山崎さんはスポニチ紙上で(朝日・王位戦挑決の)借りを返すと言ってました。」
羽生「山崎君の地元なので、かたき役でお願いします。(笑)」
山崎「最近、物忘れが多くて・・・。(笑)そのような気持ちで・・・。」

6手目 △8八角成
会場「お〜」

16手目 ▲6四歩
有吉「早指しで受けて勝つのは難しい。」

23手目 ▲3六歩
有吉「△8五歩はしない。」

28手目 △3一玉
羽生→あごに手をあてて考慮中。
有吉「先手が腰掛け銀にするかどうか。」

31手目 ▲2九飛
有吉「先手の▲1五歩は終盤に影響、後手の△7三桂が飛ぶのは中盤に影響します。」
おっさん「どこから仕掛けるんや。」
羽生→メガネ拭き拭き

36手目 △4二金右
羽生→前傾姿勢。

38手目 △6五銀
おっさん「やってきた。行かなあかん。」
有吉「だんだん、煮詰まってきましたね。」

39手目 ▲5五銀
おっさん「避けた。」
有吉「△8五桂をするかどうか。」

40手目 △8五桂
おっさん「行った〜。」
有吉「新鋭らしい。でも、勢いだけではダメなんですけど・・・。」
おっさん「(笑)」
有吉「▲6六銀はない。山崎さんの暴れる将棋を羽生さんがどうやって抑えて自分のペースにできるか。▲8八銀だと堅いんですが・・・。」
おっさん「お〜、堅い。」
羽生→はっけよい

41手目 ▲6八銀
おっさん「そっち行った。」
羽生→再びはっけよいからあごに手をあてて考慮中。
有吉「勝敗が決まるような局面。」
隣のおっさん「そうか・・・。」足を組みかえて腕組み。

42手目 △9五歩
おっさん「行ったで。」

43手目 ▲7三角
おっさん「飛車か、う〜。」
羽生&山崎→あごに手をあてて同じポーズで考慮中。

46手目 △3五歩→▲6四角成→△6一飛→▲3五歩
有吉「先手は▲2四歩〜▲3四歩から攻める手段を。速度で勝負。」
羽生→頭ポリポリ
有吉「攻めたり受けたりする将棋。」

53手目 ▲7七歩
おっさん「先に打った。」

54手目 △6五銀
おっさん「逃げた。」

55手目 ▲7五馬
おっさん「う〜、取った。もう、△3六歩打たな。」

56手目 △3六歩→▲6四銀
有吉「堅実な手。」
おっさん「いい手や。」
羽生→スクリーンを見てます。
おっさん「(後手)角打つとこないんか?」

60手目 △9二角
おっさん「打ったで。」
有吉「第一感の手。」

62手目 △7四銀
おっさん「バックしよった。」
有吉「(8五の)桂馬が重いですね。」

64手目 △7七桂成
有吉「6四の銀をターゲット。普通はこう(▲同桂)でしょう。」

65手目 ▲同桂
羽生→はっけよい
おっさん「ええ勝負やな。」

66手目 △8五歩
有吉「今言った手順になりそうですね。」
おっさん→大あくび

67手目 ▲同桂→△同銀→▲同馬
おっさん「(6四の)銀取れるわ。」

70手目 △3六歩
おっさん「先に。」
羽生→30秒将棋に。

71手目 ▲同金
おっさん「取った。角成れる。」
違うおっさん「成るかな?」

72手目 △4七角成→▲3四歩→△同銀
有吉「2つ(6四の銀と3六の金)が当たってるときは受けない。」
おっさん→大あくび

75手目 ▲3三歩→△同桂
有吉「攻めの意味の桂馬。」

77手目 ▲3五歩
おっさん「お〜。さ〜どうする。あれ速いわ、速いわ、速い速い。絶対速い。」

78手目 △7七歩
おっさん「取れへんのか。(笑)」うちわパタパタ

79手目 ▲同銀
おっさん「(後手は)駒取り放題。」

80手目 △6五桂
おっさん「まだ、取らへん。」

81手目 ▲3四歩
おっさん「うわ〜、取るやろ、これ。」

82手目 △7七桂成→▲同金→△6五桂
おっさん「山崎の勝ちやな。」
あちこち「終わった・・・。」

85手目 ▲7六金→△6四飛
おっさん「あ〜、そうか。(詰み)ないんか?」

87手目 ▲3三歩成
有吉「どっちが速いでしょうね。」
おっさん「どっちや。」

88手目 △同金
有吉「速度計算を読まなきゃいけませんから・・・。」
おっさん「もう、読んでるやろ。」

89手目 ▲3四歩→△5七馬
おっさん「王手か、びっくりした。読みきっとんか?」

91手目 ▲6八銀
有吉「△7七銀かも。」

92手目 △7七銀→▲5七銀
おっさん「こりゃ、あかんわ。間違うたで。」

94手目 △6八歩
あちこち「え?え?」
有吉「詰めろですね。」
おっさん「詰めろ?何でや。」

95手目 ▲同飛
おっさん「飛車か。」
有吉「大分、得ですね。」

96手目 △7八歩
有吉「芸が細かいですね。」
おっさん「細かいな。」

97手目 ▲同飛→△7八銀成→▲同玉
有吉「8六の馬がよく効いてます。」
おっさん「上に行かれたらあかんな。どうする?」

100手目 △5七桂成
あちこち「負けたで。」

101手目 ▲6五銀
あちこち「あ〜。」

102手目 △6八飛→▲7七玉
有吉「△6五飛が詰めろかどうか。」

104手目 △6七飛成
おっさん「銀2枚か。」
有吉「ギリギリの将棋ですね。」
あちこち「お〜。」
おっさん「銀取るんか?」
おっさん「しまいか?」

106手目 △8四歩
羽生→上を見上げる。

107手目 ▲3三歩成
会場「お〜!」
おっさん「行った〜。これで詰みや。」

108手目 △8五歩→▲7五玉
おっさん「大変やな、こりゃ。」

112手目 △6五竜
会場「お〜!」
有吉「この1手でしょう。」

113手目 ▲同玉
会場「(対局者に)がんばれ〜!」

114手目 △5四角→▲7五玉
有吉「堅いですね。」

116手目 △7四歩→▲6四玉
会場「うお〜!」

118手目 △7五銀→▲5三玉
会場「うお〜!」

120手目 △6四銀
あちこち「まっすぐ。」

121手目 ▲5二玉
会場「うお〜!」
あちこち「ここや!」

122手目 迷いながら△6三銀
有吉「相手の玉の位置まで来ましたね。(笑)」

123手目 ▲5一玉→投了
会場「うお〜〜〜!大爆笑&大拍手」









撮影:レポ 岡田さん
禁転載

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